
・懲戒解雇を防ぐためにはどんなことに気をつければいいの?
・トラブルなく退職するためにはどうすべき?
こんなお悩みを解決します!
本記事の内容
懲戒解雇について徹底解説
退職代行による懲戒解雇を防ぐために注意すべきケース
トラブルなく退職するためにはどうすべき?
退職代行を使用するにあたり、懲戒解雇される危険性があるのかとても気になりますよね。
結論をいうと、退職代行による懲戒解雇の可能性は0%に近いです。
本記事ではその理由について深堀りしながら徹底解説していきます。
本記事を読めば『退職代行使用による懲戒解雇への不安』をすっきり解消できますよ!

◆目次◆
退職代行使用前に懲戒解雇について詳しく知ろう
ここでは退職代行による懲戒解雇について5つ順番に解説していきます。
・結論:退職代行による懲戒解雇の可能性は0%に近い
・そもそも懲戒解雇とは?
・会社は簡単に懲戒解雇できるのか
・これまで退職代行使用により懲戒解雇が発生したことはあるのか
・もし懲戒解雇されるとどんな影響があるのか
結論:退職代行による懲戒解雇の可能性は0%に近い
繰り返しですが、退職代行による懲戒解雇(=クビ)の可能性は0%に近いです。
理由は、『退職代行の使用』だけだと法律的な有効性がないからです。
懲戒解雇に踏み切るには会社側にもリスクがあり、労働者への影響も甚大なので退職代行を使用しただけでは懲戒解雇が成立する可能性は非常に低いといえます。
これからその理由を丁寧に解説していきますので、ぜひ最後まで目を通して下さいね!
そもそも懲戒解雇とは?
懲戒解雇とは下記のようなことを意味します。
懲戒解雇とは民間企業において、就業規則に基づく懲戒の一つとして行う解雇のことである。
労働者に対する最も重い処分で、対象者は重大な違反を犯す者として社会全体で認識される。
引用元:Wikipediaより抜粋の上、微修正
簡単にいうと、労働者に対する最も重い処分で、社会全体で重大な違反を犯す者として認識されない限り該当しません。
退職代行とは言い換えれば、労働者の退職の旨の伝達・各種退職手続きを代行するだけなので『社会全体で重大な違反を犯す者』とまではいえませんよね。
似たような言葉に「懲戒免職」という言葉がありますが、これは公務員版の懲戒解雇のことです。
懲戒処分と懲戒解雇って何が違う?
このような疑問を持たれる方もいらっしゃるかと思いますので合わせて解説します。
懲戒処分とは下記のようなことを意味します。
懲戒処分とは、一定組織内において秩序維持のために科せられる制裁や、特別の監督関係または身分関係にある者に対し一定の義務違反を理由として科する制裁をいう。
寛大な懲戒処分である順に、戒告、減給、出勤停止、降格、論旨解雇、懲戒解雇である。
引用元:Wikipediaより抜粋の上、微修正
簡単にいうと、組織の秩序を保つために就業規則違反をした労働者に課す制裁・罰則のことです。
つまり、懲戒解雇とは懲戒処分の中で1番重い処分のことを指します。
以下、懲戒処分の一覧表をご覧頂ければご理解頂きやすいかと思います。(下にいくほど厳しい処分)
意味合い | |
戒告 | 口頭や始末書で注意を行い、反省を促す |
減給 | 賃金の一部をカットする |
出勤停止 | 一定期間出勤停止にさせ、その期間の賃金を支給しない |
降格 | 役職を下げる(実質減給も兼ねている) |
諭旨解雇 | 労働者に退職届を提出させ、事実上任意の形で退職させる |
懲戒解雇 | 前述の通りで、懲戒処分の中でも最も重い処分 |
懲戒解雇されるケースはどんなケース?
労働契約法第15条により、懲戒解雇には客観的に合理的な証拠づけが必要だと定められています。
(懲戒)
第15条 使用者が労働者を懲戒することができる場合において、当該懲戒が、当該懲戒に係る労働者の行為の性質及び態様その他の事情に照らして、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、当該懲戒は、無効とする。
具体的には下記のようなケースなら懲戒解雇になる可能性が高いです。
・会社の名誉を傷つける犯罪行為(横領・社内の機密情報の流出など犯罪行為全般)
・経歴詐称(学歴、年齢、社歴など)
・長期間の無断欠勤(一般的には就業規則で"2週間以上"と定めている企業が多い)
・度を越えたパワハラやセクハラ(恐喝や強制わいせつなど)
・懲戒処分を何度も繰り返す
全て当たり前すぎることですよね(笑)
退職代行を使用する時は、"長期間の無断欠勤"にだけ気をつける必要があります。(詳細は後述)
会社は簡単に懲戒解雇できるのか
結論、会社は簡単に懲戒解雇をすることはできません。
理由は下記のようなことが挙げられます。
・就業規則に『退職代行を使用すると解雇する』というような記載がないケースが多い
・懲戒解雇を行う場合、就業規則で"懲罰委員会設置"を定めている場合があり労力がかかる
・無理に懲戒解雇し労働者と裁判になり、不当解雇になると慰謝料を払うリスクがある
・労働基準法第20条により30日以上前に解雇予告が必要、解雇通知書の作成など手続きが煩雑
・懲戒解雇は労働者に甚大な影響を与えるため、労働基準監督署が簡単に認めない
ご覧の通り、非常に面倒な手続きやリスクを伴うことがお分かり頂けると思います。
労働者1人の退職のために、リスクを冒してまで懲戒解雇に踏み切るのは考えにくいといえますね。
これまで退職代行使用により懲戒解雇が発生したことはあるのか
退職代行の使用を検討するにあたりここは非常に気になりますよね。
様々な媒体で検索しましたが、実際に懲戒解雇になったケースは見当たりませんでした。
これまで述べてきた通り、退職代行による懲戒解雇は非常にハードルが高く会社側もリスクが大きいので簡単には懲戒解雇されないといえます。
万が一懲戒解雇を宣告された場合は、法廷で争う必要がありますので早急に弁護士に相談して下さいね。
もし懲戒解雇されるとどんな影響があるのか
懲戒解雇されると下記のような影響がでます。
・再就職が限りなく難しくなる
・退職金が不支給もしくは大幅減額となる
・社会的信用が著しく低下する
もう少し深堀りすると、採用活動が進む段階で「離職票」を求めてくる会社がほとんどです。
懲戒解雇されると離職票に「重責解雇」と明記されるため、もし採用が決まりかけていても即刻不採用になります。
また、運よく離職票が不要で無事入社できても何かの拍子で懲戒解雇されたことがバレると即刻解雇されるので常にビクビクしながら仕事をすることになります。
懲戒解雇になる可能性は元々低いですが、スムーズに退職するためにも退職代行業者の選定は慎重に行いましょう。
退職代行による懲戒解雇を防ぐために注意すべきケース
退職代行で懲戒解雇にならないために注意すべき2つを順番に解説します。
・退職代行使用前から既に無断欠勤している
・退職届は必ず2週間以内に送付する
退職代行使用前から既に無断欠勤している
退職代行業者への依頼前に、就業規則で定められた無断欠勤による懲戒解雇の期間を経過していれば懲戒解雇になる可能性が高いでしょう。
そもそも、このような場合は業者から依頼を拒否されます。
こうならないためにも、限界がくる前に業者に依頼をしましょう。
ネットを見ていれば、退職代行=甘えだと勘違いしている方も多いですが一概にそうは言えません。
くれぐれも体調第一に行動して下さいね!
退職届は必ず2週間以内に送付する
前提として、民法第97条で以下のように定められています。
(意思表示の効力発生時期等)
・意思表示は、その通知が相手方に到達した時からその効力を生ずる。
・相手方が正当な理由なく意思表示の通知が到達することを妨げたときは、その通知は、通常到達すべきであった時に到達したものとみなす。
・意思表示は、表意者が通知を発した後に死亡し、意思能力を喪失し、又は行為能力の制限を受けたときであっても、そのためにその効力を妨げられない。
退職代行を使用すると、まず業者が会社へ退職の旨を連絡⇒自ら退職届を送付という流れですが、上記の定めにより退職届が会社に届いた時点で退職の効力が生じます。
しかし、就業規則で"2週間以上の無断欠勤が続いた場合は懲戒解雇とする"のような記載があるにも関わらず、送付を失念した場合は懲戒解雇になる可能性があります。
業者も指示はしてくれますが、退職届の送付は自己責任ですので注意して下さいね!
また、退職届は「いつ・誰が・誰に・どんな内容の書類を送ったか」を証明できる"内容証明郵便"で送付すればなお安心です。

トラブルなく退職するためにはどうすべき?
ここではトラブルなく退職するためについて2つ順番に解説していきます。
・退職代行業者の非弁リスクについて正しく理解する
・弁護士もしくは労働組合運営の退職代行業者を使用する
退職代行業者の非弁リスクについて正しく理解する
非弁リスクとは、『弁護士法違反』に対するリスクを指します。
前提として、弁護士法第72条で以下のように定められています。
(非弁護士の法律事務の取扱い等の禁止)
第七十二条 弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。
重要なのは、有給消化や退職金・未払い残業代請求などは法律事務に該当するということです。
退職代行業者の運営元は下記3種類あるのですが、それぞれサポート可能な範囲が異なります。
つまり、一般企業運営の業者は有給消化や退職金・未払い残業代請求などの交渉ができないのです。
そして一般企業運営の業者が弁護士法違反として訴えられた場合、スムーズな退職ができないだけでなくあなたも事件に巻き込まれる可能性があります。

弁護士もしくは労働組合運営の退職代行業者を使用する
弁護士運営・労働組合運営の業者の決定的な違いは、会社に訴訟を起こされた場合に弁護士ならそのまま対応できるが、労働組合は対応不可な点です。
なので1番安心安全なのは弁護士が運営する業者です。
ただし、弁護士運営の業者は基本料金が高く設定されており、残業代などを回収した場合に追加料金を支払う必要があります。
繰り返しですが会社から訴訟を起こされる可能性は非常に低いといえるため、コスパも含め個人的には労働組合運営の業者がオススメです。
お金はかかってもいいから安心安全に進めたいのであれば弁護士運営を選ぶべきです。
ぼくが自信をもってオススメできる業者3社は以下記事をご参照下さい!

総まとめ:退職代行による懲戒解雇はほぼ気にしなくてOK
以上の通り、無断欠勤による就業規則違反さえ気を付ければ退職代行による懲戒解雇の心配はないでしょう。
あとは業者選定を誤らないようにぼくの記事を参考にして頂き、安心安全に退職を進めて頂ければと思います。
本記事があなたの1歩を踏み出すキッカケとなることを祈っております。
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